<株式会社やまと>
第4回 ハタチ記念撮影会
<株式会社やまと>
「第4回 ハタチ記念撮影会」
過去最多18組の方にご参加いただきました
株式会社やまとは、「障がいの有無に関わらず誰しもが当たり前に、きものを楽しめる世の中にしたい。」という想いから、2021年より渋谷区在住の障がい者手帳をお持のハタチの皆さまを対象とした『ハタチ記念撮影会』を開催しています。この撮影会は、<株式会社ハルカホールディングス>が展開するヘアメイク専門店<アトリエはるか>と、両社が拠点を置く<渋谷区>と協働して行っています。
また、当社と渋谷区は2022年に「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー(S-SAP)協定」を締結し、公民連携で地域の社会的課題を解決する取り組みとしても実施しています。
− 障がいを有する方が感じる、撮影会へのハードル −
障がいを有する方が感じる、
撮影会へのハードル
日本では、「ハタチ」の節目をきもので迎え、お祝いの行事として楽しまれている方が多くいらっしゃいます。しかし、障害を有する方にとって、きものでの撮影会は多くのハードルがあり、参加を躊躇されている方がいらっしゃる現状があります。
例えば、、、、
・⾝体の締め付けを感じるきもの着付け
・⻑時間にわたるヘアメイク
・多くの⼈が集まる撮影会場
・はじめて来る場所/はじめて会う人
・フラッシュの光 など
様々なものが大きな負担となっています。
『ハタチ記念撮影会』に参加されるご家族さまの中にも「振袖を着せてあげたいのに、どうしたら良いか分からなかった」「車いすできものを着ることは難しいだろうから、諦めていた」という方がたくさんいらっしゃいます。
こういった課題を少しでも解決し、撮影会を楽しんでいただけるように、ご着用いただくきものは株式会社やまとが、ヘアメイクは<アトリエはるか>が担当し、簡単・時短で着付けができるきものや福祉視点のヘアメイクなど、どれぞれの技術やノウハウを活かし開催しています。
− 着られないを『ゼロ』にするために −
「身体の締め付け」「長時間の着付け」という負担を解消するため、撮影会でご着⽤いただいたきものの⼀部は、着られないをゼロにしたいという想いから⽣まれた『パーソナルフィットオーダー』、帯は作り帯の加工『ワンタッチ帯』を使用しています。
紐を使わず、着付けの手間と締め付けを軽減
サイドがファスナーで開き、寝たままでも着付けが可能
メッシュベルトや付属の紐で着脱が簡単に
通常、きものの着付けには腰紐や伊達締めなど多くの着付け小物を用いますが、 『パーソナルフィットオーダー』『ワンタッチ帯』の加工のきものや帯は、付属のパーツを留めることで手間なく簡単に着付けることができます。
また、撮影会ではご着用いただく方の寸法や特性に合わせ、ストレスなく着用いただけるような仕様でご用意しています。参加者やご家族の方からは「着心地が良かった」「心配していたが、快適そうで安心した」というお声を頂戴できました。
− 近隣店舗のやまと社員が、撮影会に参加 −
これまで「ハタチ記念撮影会」は、本社の一部スタッフで準備、運営、当日の着付けなどをおこなってきましたが、「会社の取り組みにもっと参加したい」という社員の声から、今年度は近隣の店舗スタッフに参加を募り、計8名のショップスタッフと共に実施いたしました。
私たちは、SDGsの一つしても、きものを一部の人のみの物ではなく、障がいの有無や性別、国籍に関係なく、誰もが楽しめる世の中にするため、きものの開発や取り組みを行っています。
− 笑顔と喜びの溢れる撮影会に −
4回目の開催となる本年は、過去最多となる18組の方が撮影会に参加。11/13(水)、11/14(木)の2日間に渡り、原宿にある結婚式場<ルアール東郷>にて実施しました。
会場に到着された時には、緊張気味の面持ちの参加者さまも、ヘアメイクを終えるといつもと少し違うご自身のお姿を見てパッと明るい表情に。着付けが完成し撮影会場に向かわれる時には、ご家族さまや参加スタッフからの「かわいい!」「かっこいい!」の反応に、少し照れながらも嬉しそうな様子が印象的でした。
参加頂いた⽅の中には「きものを着られるなんて想像してなかった」や「どうしたら良いのか分からず諦めていた」という⽅も多く、「とても良い記念になった」「改めて成人の嬉しさを実感した」など、ハタチの節⽬の時をきもので迎えることができたことへの喜びの声と共に、開催を続けていって欲しいというお⾔葉を頂き、私たちにとっても⼤きな励みとなりました。
また、参加された皆さまの笑顔を見て、改めてきものが持つ人々の気持ちを前向きにするエネルギーを実感する撮影会となりました。参加者さまにとってハタチを迎えられたことがいかに尊いことであるのかを感じ、やまとの持つ「きもの」を通してお祝いのお手伝いができたことをとても嬉しく思います。
− 参加者レポート −
撮影会に参加したスタッフに感想を聞きました
きものやまと シャポー市川店 小山内さん
Q.
今回の参加のきっかけは?
A.
入社前に、やまとがどういう会社なんだろうと調べている時に『ハタチ記念撮影会』について知りました。社会課題の解決など、世の中に必要とされていることに取り組んでいることは決して当たり前でないと感じ、そういった取り組みにチャレンジする(株)やまとを企業としてとても魅力に感じました。入社を決めるきっかけにもなっていたので、「いつか機会があったら必ず撮影会に参加したい!」思っていました。また、障がいを有する方を接客する機会はあまり多くなかったので、撮影会での経験をもとに自分自身の対応力やキャパシティーを広げていきたいと思い参加しました。
Q.
参加してみてどうでしたか?
A.
今までにない経験でした,,,。参加者さまが自分のきものの着姿に喜ばれていたり、その様子を見守られるご家族さまの温かみを肌で感じたり、参加できて本当によかったです!それと同時に、こういった撮影会を障がいを有する方やそのご家族の方たちは、諦めている方達が多いのだという事実も目の当たりにして、もっと自分たちにできることにもっと目を向けていきたいと思いました。
日々のお店に立つ際も、今までに以上にできること・できないことについて深く考えて、その場で出たご要望だけでなく、先々まで考えたご提案などをお客様にできるようにしたいです。
また、今回の撮影会で、さまざまにニーズがあるのだということを肌で感じることができたので、お客様の小さなお声にもアンテナを張ってそのニーズに気づけるようになれたらと思います。
オーダー課 牧野さん
Q.
今回で何度目の参加になりますか?
A.
2021年の初回から参加していて、今年で4回目の参加になります。普段、障がいを有する方と接する機会が少なかったので、最初は戸惑いもあったのですが、毎年参加されるご家族が皆さん温かで、協力的な方が多く、助けられています。
Q.
毎年参加されて感じることは?
A.
年々参加される方が増えていて、今年は昨年の倍以上の人数の方に参加いただき、ちょっとずつ『ハタチ記念撮影会』について知っていただいていることがとても嬉しいです。
きものの仕立てについて、加工先さまとのやり取りも担当しているのですが、当日、実際にお召しいただくまで「合わなかったらどうしよう」と、とてもドキドキします。その分、参加者さまに「着られて良かった」と喜んでいただけると嬉しくなります。
撮影会をきっかけに、「きものっていいな」と思っていただきたいからこそ喜んでいただけるか緊張してしまうのですが、その気持ちを持ち続けて参加することを心がけています。
Q.
パーソナルフィットオーダーをどんな方に着ていただきたいですか?
A.
きものは「こう着なきゃ!」「こういう風にしなきゃ!」と思いがちなもので、だからこそ障がいを有する方には着用にハードルを感じる方が多いと思います。きものの形はひとつだからこそ、着方はもっと広がってさまざまになったらいいなと思っていて、なのでパーソナルフィットオーダーは、「きものって自由なんだ」と気軽にきものを着る選択肢の一つとして楽しんでいただきたいです。
初年度に、加工先さまに撮影会実施の報告をしたところ「パーソナルフィットオーダーをパラリンピックの表彰台で着ていただけたらとっても素敵ですね!」とおっしゃられていて、それを目標に頑張りたいなと思っています。
これからも私たちやまとは、きものを通して
多様な⽣き⽅にリスペクトする世の中を⽬指し、
⼈々の前向きな気持ちを⼤きくする
さまざまなチャレンジを続けてまいります。
私たちは、やまと。
きもので心踊る夢を実現していく会社です。