Y. & SONS × T-MICHAEL
T-MICHAEL Interview
海を越え、文化を超え、きものとつながっていく。
2017年よりY. & SONSと「T-KIMONO」において協業を続けるビスポークデザイナー・T-MICHAEL(ティーマイケル)。長年服を作り続けてきた彼が、今きものに魅了される理由、そこに隠されたライフワークでもあるものづくりへのこだわり。
先ごろ住まいのノルウェーから日本を訪れ、静岡県浜松市・注染のさんちへ。
「来年のT-KIMONOのアイデアが形になってきました。」
と、きものにかける胸の内を朗らかに語ってくださいました。
Q. 来年のT-KIMONO のコンセプト・特徴は?
次のT-KIMONOコレクションに向けて、以前から変わらない3つの方向性があります。それは、イノべーションによって壁を打ち砕いて行くこと。また、私はスーツときもので2つの伝統的な生地を取り扱っているので、それらの持つ2つの感性を1つのものに融合すること。そしてそれをきものにすることです。
そこに日本ならではの卓越した技術を用いられていることも大切な要素ですね。
Q. 先日、商品開発で浜松に行かれましたね。旅はいかがでしたか?
常々、アトリエや工場やワークショップには惹かれています。職人の”たなごころ”がその技術を磨く場所ですよね。ですから、職人のもとを訪れる矢嶋孝行さん(弊社代表取締役)との旅はいつだって私の日本滞在時のハイライトとなります。
もちろん注染のアトリエを見に浜松に行ったことは間違いなく素晴らしかったです。真っ直ぐに伝わってきましたね。彼らの技術や精巧さは凄まじく、まさに魔法ですよ。
今、次のT-KIMONOのためにこの注染のテクニックを用いたパターンとデザインを活かそうと取り組んでいます。
Q. 来年のT-KIMONOのコンセプトはどう形作られていったのでしょうか?
ひとことに「テキスタイル」と言ってもそれぞれに過剰な特徴付けがなされている今、持続可能性(サステナビリティ)やイノべーションを注視しないことは無責任だと常々感じています。このような疑問に対する新しい解決策を日々模索する中で、来年のT-KIMONOが形作られていきました。お楽しみに。
Q. ものづくりの中で一番大切にしていることは?
伝統的な仕立てに、現代的なスタイリングをコンセプトに沿って融合させることです。ものづくりの全ての核となっているのは、過去の伝統を理解しながら誠実さと真心をもって新しい解決策を生み出して行くこと。それこそが全ての真実であり本質なのですから。
Q. なぜきものとのコラボレーションを始めたのでしょうか?
新しい伝統を元来の方法で創造することへの挑戦です。⻑く大切にされてきた衣服の深い 歴史と伝統を現代に導き、国籍に関係なく、ジーンズやブレザーのように男性のワードローブとして定着させようと尽力しています。同時に、それらが意図した通りに使われていくよ うに、混じりっ気のない魅力を保つのです。それは、単純にきものの美しさに感謝すること なんですよね。
Q. やまとに求めることはありますか?
矢嶋孝行さんが始めたように、時代に乗るべくして乗った様々な協業は、やまとの継続的な 成⻑に不可欠です。これらの協業は、若い世代を惹きつけることによって彼らとの関連性を 持ち続けるだけでなく、さらなる彼らとの進化を可能にしていくでしょう。本当にそうなる と思いますよ。
Q. どんな時にリラックスしますか?
人と繋がっている時、働いている時、1 人でいる時、全てにおいて私の想いが一貫している 時です。想いはパワフルですね。存分に使っていきましょう。
T-MICHAEL(ティーマイケル) / Norwegian Rain(ノルウェージャン レイン)
ビスポークテイラーとしてロンドンで経験を積んだT-MICHAEL。
自身のシグネチャーブランドである「T-MICHAEL」と、ノルウェーに渡りAlexandre Helleと始めたブランド「Norwegian Rain」のデザイナーとして活躍しています。
オーセンティックなラインナップながら洋装の発想を取り入れた自由なコーディネートを提案してきたY. & SONSと、2017年より「T-KIMONO」で協業を開始。日本とスカンジナビア、そしてビスポークの魅力が詰まったT-KIMONOは国内外から愛されています。