【やまとサステナビリティ vol.2】
やまとがサステナビリティに取り組む理由とは?
近ごろ、よく目にしたり耳にしたりする「サステナブル」という言葉。
やまとでも様々なサステナブルな取り組みを行っています。
今回は、やまとがサステナビリティに取り組む理由を、やまと社長・矢嶋孝行へのインタビューを通してお伝えいたします!
Q. やまとがサステナビリティに取り組むことを決めたきっかけは?
私たちやまとは「共創」という理念を掲げています。それは、お客様や一緒にものづくりを行う各さんち、そして社会があって初めて成り立ちます。いろいろな人と共にエキサイティングな世の中をつくるにも、自分たちだけではそれらは達成できません。“きもの”という、日本の誰もが認める文化を世の中とともに未来に向けて創り続けていくために、サステナビリティに取り組むことは、無くてはならないものだと考えています。特別やらねばならぬ、ではなく、やることが当たり前、という視点で取り組んでいます。
Q. いつからサステナビリティを意識していた?
社長になる少し前から、サステナビリティを言っていました。まず、オーガニックコットン糸を使用した商品展開から始めました。やまとでは私が社長になった2019年4月以降、オリジナルの木綿きものやゆかたはオーガニックコットン糸に順次替えています。そのきっかけをくれたのが、<Y. & SONS>でもセレクトしているデンマーク発ブランド「The Inoue Brothers」の二人でした。彼らとは4年ほど前に初めて会ったのですが、環境や地球のことを考えてものづくりをしていることを話してくれました。感銘を受けましたね。実際に、私たちが使う遠いブラジルで作られる絹糸を見にいこうと思わせたのもこの出会いからです。共創という理念を掲げている私たちがもっと具体的なアクションを起こさないといけないと思い、具体的なアクションとしてはオーガニックコットン糸を使用した商品をつくるようになりました。
Q. なぜオーガニックコットン糸?
オーガニックコットンを使用した商品は現在世の中にたくさん出ていますよね。何となく肌に良いって思う方も多いと思うのですが、オーガニックコットンでも通常のコットンでも実は肌触りなどに大きな違いはないんです。じゃあなぜオーガニックコットン糸にこだわるかというと、一般的にコットンの生産には多くの農薬が使用されており、今もなお世界中の生産者が健康被害を受けています。また、諸説はありますがコットンの生産には児童の不当な労働などが行われた歴史があります。私たちの商品がそういった環境問題や不当労働に間接的にでも加担したくない、と思ったんです。
環境だけじゃなくて、経済的な活動が末永く行えるように取り組む必要があると思っています。例えば、昨年の新型コロナウィルス感染拡大の影響を踏まえた、さんちへの無利子無担保の貸し出しや、大島紬・加賀友禅の育成事業などを継続して行っています。今後もさらに、日本国内でのものづくりやそれらを繋いでいくための取り組みは行っていき、自分たちの生活圏内にものづくりの風景を残したいですね。
それは実際に危機状況下においても大きな意味があります。たとえば、昨年マスクがなくなって大騒ぎになりましたが、私たちのお取り組み先である和裁縫製先に生地を送りましたところ、翌週には品質が良いものが出来上がって来ました。値段が安いからという理由などで、とにかく合理化だけを図ればいいというものではなく、自分たちの行動がどんな未来に繋がるかを考えて続ける必要を感じます。
Q. 今後の課題は?
社内では使い捨ての段ボールをやめて「エコビズボックス」を導入したりコピー機を減らすことで紙への無駄な印刷を減らしてゴミの削減などできることから始めています。しかし、まだまだ足りないとも思っています。フロアに誰もいないのに電気やエアコンが付いていることがまだ稀にありますね。細かいことだけど、個人のできる範囲のちょっとしたことができていけるといいなあ、と思っています。あと、できるだけ使い捨ての文化をやめて、一つ一つのものと長く付き合っていく。きもののものづくりも同じですね。お客様にとって、長く愛される商品をつくる。そのためにも、サステナブルな取り組みへしっかりと向き合い、自信を持ってやまと品質をお届けしたいと思っています。
次回は、やまとのサステナブルへの取り組みを、さらに深堀してお伝えいたします!