【株式会社やまと協賛】
重要文化財<冬木小袖>の修理が完了しました

 日本で最も歴史のある博物館「東京国立博物館」と、2018年7月に新設され活動を行なっている(独)国立文化機構「文化財活用センター」により2020年1月から進められてきた「重要文化財 小袖 白綾地秋草模様(こそで しろあやじあきくさもよう)(通称:<冬木小袖>)」の修理プロジェクトが終了し、2023年10月4日(水)より東京国立博物館にて一般公開がされています。

株式会社やまとでは「文化財を1000年、2000年先の未来に伝える」という想いに共感し、企業として初めてこのプロジェクトに協賛しました。

修理後初公開された<冬木小袖>

<冬木小袖>修理プロジェクトの概要について

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〈冬木小袖〉~みんなのちからで守り伝える 令和の修理プロジェクト~(14分31秒)

<冬木小袖>修理プロジェクトとは

 <冬木小袖>とは江戸を代表する絵師 尾形光琳の直筆の絵画が施された小袖とされており、国の重要文化財に指定されています。白綾地に菊、萩、すすきといった秋草が、墨の濃淡と藍、黄、淡紅色でのびのびと描かれている様子や、輪郭を描かずに形をとらえる画風が光琳の他作品と共通していることからそのように伝承されてきました。
 この<冬木小袖>は、光琳から深川の材木問屋「冬木家」の夫人のために描いたとされています。経年の劣化とともに博物館での展示や移動などによる摩擦から生地の汚れや糸の断裂などが深刻化しており、展示の継続がままならない状態でした。
 そこで一人でも多くの人々が日本の文化財に親しみ身近に感じることができるよう、同機構では初となるファンドレイジングを2020年1月よりスタートし、修理に必要な寄付金を募ることになりました。

修理前の<冬木小袖>

修理前の<冬木小袖>
経年劣化により糸の断裂や生地の汚れ・擦り減りなどが見られる。

<冬木小袖>修理プロジェクトと新しい取り組み

 同プロジェクトでは<冬木小袖>の魅力を伝える発信に力を入れてきました。まず博物館内に修理前最後の<冬木小袖>を展示した「特別展きものKIMONO」にて募金箱を設置し、来場者に広く募金を募りました。また<冬木小袖>をモチーフにした折り紙や、返礼品として蒔絵シールなどを製作し模様の美しさを発信。さらに人気バーチャルキャラクターである初音ミクとのタイアップ企画を行い、<冬木小袖>を着用した<冬木小袖>ミクのコラボレーショングッズを製作するなど海外の方々への周知を狙った取り組みは功を奏し、目標金額を遥に超える1,600万円以上の寄付金が集まりました。

修理の裏側

 <冬木小袖>は染織作品かつ尾形光琳筆の絵画作品ということから、その修理作業は非常にデリケートな工程が多く約2年3ヶ月の期間を有しました。大まかな工程は「調査」、「解体」、「清掃」、「補修・補強」、「裏地新調」、「仕立て」、「経過観察」という内容に分けられ、専門の技術者の手により実施。元々の作風の良さを変えることなく、より良好な状態へと修理されました。
 特に「裏地新調」の工程では、これまで白地の裏地が袖口覆輪(そでぐちふくりん)、裾部分に取り付けられていたところを、当時の浮世絵に描かれていたものなどを参考に、袖口覆輪には黒の生地を、裾部分の裏地には紅色の生地を取り付けました。

裏地が綺麗に取り付けたれた<冬木小袖>

裏地が綺麗に取り付けたれた<冬木小袖>



 同プロジェクトにて修理が完了した<冬木小袖>は経過観察を経て、この度2023年10月4日(水)から12月3日(日)までの期間に、東京国立博物館にて展示公開しています。また同博物館併設のミュージアムシアターでは今回のプロジェクトの概要や修理に携わった関係者のインタビューなどをまとめた動画を上演。2023年12月24日(日)まで開催されます。


 また株式会社やまとでは今回のプロジェクトに続き、東京国立博物館創立150周年を記念した「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」にも協賛し、2023年3月末にて寄付金の募集を終えました。踊る埴輪は2024年春頃、見返り美人図は2024年秋頃の修理完了を予定しています。


株式会社やまとは、こうした素晴らしい文化財を後世に継承するための取り組みを応援するとともにきものと日本文化の振興のため、さんちと共にものづくりのさらなる発展に尽力してまいります。


私たちは、やまと。


きもので心踊る夢を実現していく会社です。
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