― 沖縄の手しごとを未来へ ―結果発表 ・ 表彰式レポート
第11回 ミンサー帯コンクール

第11回 ミンサー帯コンクール
― 沖縄の手しごとを未来へ ―
結果発表 ・ 表彰式レポート

2026年5月、株式会社やまと本社(東京都渋谷区千駄ヶ谷)にて、「第11回ミンサー帯コンクール」を開催しました。
今年は、初開催となる「さんちフェス」内で実施し、天然染料100%・手織りのミンサー帯100本を展示。来場者の皆さまによる投票を通じて、受賞作品を決定しました。 さらに、6月12日(金)には、沖縄・西表島「西表東部地区手仕事作業所 工房 まんだらー」にて表彰式を開催。東京会場で寄せられた声や想いを、つくり手へ直接届ける機会となりました。

ミンサー帯コンクールの様子

3日間の会期中、266名の方にアンケートへご回答いただき、総得票数は798票となりました。

会場では、100本の帯を見比べながら、「自分ならどの帯を締めたいか」「どんなきものに合わせたいか」という視点で投票する姿が多く見られました。

また今年は、ミンサー織体験やトークイベントも実施。つくり手の言葉や制作背景に直接触れることで、そこに込められた風景や手しごとへの理解も深まりました。

来場者からは、「つくり手と直接話せて愛着が湧いた」「100本を見比べながら選ぶ時間が楽しかった」「沖縄の自然や空気を感じた」といった声が寄せられました。また、「3本に絞るのが本当に難しかった」「背景を知ることで見え方が変わった」という感想も多く聞かれ、帯を“見る”だけでなく、“背景を知り、選ぶ”体験の場となりました。

第11回ミンサー帯コンクール
受賞作品発表

最優秀作品賞

加藤 奈美さん
(竹富町織物事業協同組合)
「細かい市松模様の帯を織りました。」

<来場者が惹かれたポイント>
「落ち着いた夜の海のよう」「沖縄の砂や海、草花にも見える」といった情景を想起させる色合いに、多くの票が集まりました。特に、繊細な市松模様と、青とも緑とも感じられる絶妙な色使いが印象的で、「どんなきものにも合わせやすそう」「オールシーズン締められそう」と、暮らしの中で取り入れるイメージのしやすさも支持を集めた理由のひとつでした。

<投票コメント(抜粋)>

  • 「細やかな市松模様と配色がとても素敵」
  • 「直感でこれ好き!とパッと目に入りました」
  • 「モダンな配色がかわいい」


優秀作品賞

松本 涼子さん
(石垣市 染織工房なわた)

「水光-清流の水面にキラキラと反射する光を織りで表しました」

<来場者が惹かれたポイント>
「涼しげ」「海を感じる」といった声に加え、「ミンサーでは珍しい柄行き」「可能性が広がった」と、新しい表現への評価も多く寄せられました。

<投票コメント(抜粋)>

  • 「市松、格子のような織りが水面の光のよう」
  • 「ミンサーっぽくないが、よく見るとミンサーなところが好き」
  • 「青のグラデがとてもきれい」

具志堅 直子さん
(石垣市 染織工房なわた)

「木漏れ日」

<来場者が惹かれたポイント>
青・黄・緑の繊細なグラデーションが、木漏れ日や光の揺らぎを感じさせる作品。
細かな柄の美しさに加え、「光が差し込む景色を思い出した」「沖縄の自然を感じる」と、風景性に魅力を感じる声が集まりました。

<投票コメント(抜粋)>

  • 「色の移り変わりがきれい」
  • 「木漏れ日らしい暖かい色も入っていて素敵」
  • 「沖縄の日差しと空と緑のキラキラ感が見えるよう」

高市 弥生さん
(竹富町織物事業協同組合)

「春らんまん」 西表島の特徴であるマングローブのヒルギ樹皮染料で染めわけた色で、浮きたつ春の花咲き乱れ光り輝く様子を帯に込めました。

<来場者が惹かれたポイント>
春の空気や夕暮れを思わせる、柔らかなピンクのグラデーションが印象的な作品。「かわいいけれど落ち着いていて使いやすそう」「春らしさを感じる」と、やわらかな色彩と奥行きのある表現に支持が集まりました。

<投票コメント(抜粋)>

  • 「春のようでもあり、夕暮れのようでもあってエモーショナル」
  • 「草木染でこの色が出るのがすごい」
  • 「春の沖縄へ行ってみたくなった」


準優秀作品賞

佐藤 聖子さん
(石垣市 染織工房なわた)

「春の日射しとハイビスカスが咲く中をアカショウビンが飛んでいく様子をイメージしました」

朝日や光を思わせる黄色とピンクのグラデーションが印象的な作品。「かわいらしさの中にさわやかさがある」「明るく前向きな気持ちになる」といった声が寄せられ、やさしく晴れやかな色使いに支持が集まりました。

島仲 やよいさん
(竹富町織物事業協同組合)

「海の青 夕日のオレンジ 水平線からまっすぐのびてくる夕日の光 時々波でゆらゆら」

夕暮れの海や差し込む光を思わせる色使いと、独創的な絣表現に注目が集まりました。「デニムきものに合わせたい」「美術館へ着ていきたい」など、日常の装いを想像する声も寄せられました。

島仲 彌喜さん
(竹富町織物事業協同組合)

「夕日が沈んだ頃 淡いピンクの空が広がって 夜が近づく頃のひととき 淡いブルーとピンクの優しい空になります 闇が追ってくる前の色を表現」

空や海を思わせる、やわらかな青とピンクのグラデーションが特徴。「景色が浮かぶ」「竹富の風景を思い出した」という感想が多く寄せられました。

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早田 照美さん
(竹富町織物事業協同組合)

「森」 西表の森は冬も夏も色濃い森です

多色使いによる大胆な表現が印象的な一本。「元気をもらえる」「自然の神秘を感じる」と、その力強さに惹かれる声が集まりました。

佐藤 美智子さん
(石垣市 染織工房なわた)

「四季をまとう」

やさしい色味と繊細な柄が魅力の作品。「菜の花や春風を感じた」「合わせやすそう」と、上品さが支持を集めました。

新川 祐美さん
(石垣市 染織工房なわた)

「うりずんの若葉」

新緑を思わせる鮮やかな緑のグラデーションが印象的。「若々しく希望を感じる」「緑がとても美しい」といった声が寄せられました。

田本 有子さん
(竹富町織物事業協同組合)

イメージ「桜前線」

桜や春景色を思わせるパステルカラーのグラデーションが特徴。「優しい春色」「どんなきものにも合わせやすそう」と親しみやすさが評価されました。



表彰式を西表島で開催

2026年6月12日(金)、沖縄県・西表島「西表東部地区手仕事作業所 工房 まんだらー」にて表彰式を開催しました。
会場には受賞者をはじめとするつくり手が集まり、コンクールで寄せられた投票コメントや感想も共有いたしました。来場者がどのような視点で帯を選んだのか、どんな装いを想像したのかといった率直な声に耳を傾けながら、制作時の工夫や作品への想いを語り合いました。
また、工房や島を越えた交流の機会にもなり、それぞれの技術や表現について学び合う時間に。次のものづくりへの刺激にもつながる、実りある場となりました。



受賞者のコメント

最優秀作品賞|加藤 奈美さん
(竹富町織物事業協同組合)

まさか自分が最優秀作品賞をいただけるとは思っていなかったので、とても驚きました。そして本当に嬉しかったです。今回の作品は、織りながら「かわいいな」と、自分でも愛着を感じていた帯でした。色合わせは、その時々の感覚を大切にしていて、「すごくかわいい」と思える組み合わせに出会えた時の感覚が、今回は自然と作品になったように思います。グラデーションも、糸を少しずつ重ねながら感覚的につくり上げています。そうした表現を評価いただけたことを嬉しく思います。これからも、手に取った方が心惹かれるような作品をつくっていきたいです。

優秀作品賞|松本 涼子さん
(石垣市 染織工房なわた)

今回の受賞は、作品が選ばれたことも含めて、とても意外で驚きました。これまで暖色と寒色を組み合わせた作品が多い印象の中、今回は藍だけで表現した作品だったので、なおさら嬉しく感じています。私は、一色または同系色でグラデーションをつくることが好きで、今回も染め上がった糸から受けた印象をもとに制作しました。「この色ならこんな表現が合うかな」と、糸を見ながら織り方や柄を考えています。東京から石垣へ移住し、日々の暮らしの中で出会った風景も自然とものづくりにつながっています。これからも、糸や風景から受け取った感覚を大切に、作品づくりを続けていきたいです。

優秀作品賞|具志堅 直子さん
(石垣市 染織工房なわた)

このたびは選んでいただき、ありがとうございます。受賞は自分でも意外で、とても驚きました。私は上布もミンサーも織っていますが、とにかく「染め」が好きです。今回の作品に対して、「沖縄の日差しや緑のきらきら感が見える」といった感想をいただき、作品から感じ取った景色を共有していただけたことがとても嬉しかったです。染めは、思い通りに表現できた時も、そうでない時も面白さがあります。季節や気温、その時々の感覚によって色の出方が変わり、島の自然の色が映し出されるところに魅力を感じています。これからも、自然の移ろいや美しさを感じられる作品を織っていきたいです。

優秀作品賞|高市 弥生さん
(竹富町織物事業協同組合)

今回の作品は、西表島に自生するマングローブの一種「ヒルギ」から着想を得て制作しました。ヒルギ染めというと赤茶系を思い浮かべる方が多いと思いますが、今回は淡いピンクのグラデーション表現に挑戦し、この色を基調に織り上げました。会場では、「草木染でこの色が出るのがすごい」といった言葉をいただき、とても嬉しかったです。ものづくりの着想は、いつも西表島の自然から多くをいただいています。一方で、京都で育った経験も自分の中にあり、きものに寄り添う感覚や“和”の要素も大切にしています。これからも、その土地だからこそ出会える美しさを表現していきたいです。



コンクール会場でのアンケートについて

3日間の会期中、266名の方にご参加いただきました。
来場者からは、帯への感想だけでなく、つくり手への応援メッセージも多数寄せられました。

「つくり手の方と直接話せて愛着が湧いた」
「背景を知ることで見え方が変わった」
「沖縄の風景や空気を感じられた」

といった声もあり、ミンサー帯を“暮らしの中で楽しむ装い”として捉える視点の広がりもうかがえました。

【つくり手の皆さまへの応援メッセージ】

八重山の自然からこんなに素晴らしい色が生まれるのだと感動しました。糸を染めるところからの工程をうかがい、1本1本に込められた時間と想いを感じました。ぜひこれからも素晴らしい作品を作っていってください。

(50代女性)

つくり手としての技術だけではなく、感性の豊かさに圧倒されました。ミンサーと自然の密接な関係性を知る良い機会になりました。頑張ってください!

(40代女性)

自然の美しい風景や情景が浮かんでくるミンサー帯が大好きです。手に取って身にまとうほどに愛情が増してくるミンサー帯をこれからも大切に使い続けていきたいです。

(40代女性)

想いがこもったミンサー帯を見ることができて嬉しかったです。制作しているところも見てみたいと思いました。

(20代女性)

ミンサー帯は非常に好きで現在計12本は持っています。これからも美しい帯を拝見できるのを楽しみにしております。個人的には青系が好きです。

(30代女性)

人の手を介して作られた布地のエネルギーが感じられて、とてもときめくものがあります。布が芸術であると同時に人がまとって生きていくのが素敵。

(30代女性)

毎年楽しみにしているミンサー帯。自然由来の優しく、美しい色合いが大好きです。今年お気に入りの1本を購入します!

(20代女性)

すごく素敵な織り物を見せていただけて感動しました。今後も楽しみにしています。5月4日に入籍するので記念に贈りたいです。

(30代女性)

遊びに行くとき、つい手が伸びる帯です。これからの皆さんの作品が楽しみです。

(50代女性)

いつも真心のこもった素敵なミンサー帯を届けてくださりありがとうございます。お身体に気を付けて、今後も愛ある帯をたくさん作っていってほしいです。

(30代女性)



今後も、沖縄の手しごとを未来へ

天然染料をつかい、手織りによって生み出されるミンサー帯。その背景には、自然と寄り添う暮らし、時間をかけた手仕事、そしてつくり手一人ひとりの物語があります。来場者の一票や言葉が、次のものづくりへつながる。第11回ミンサー帯コンクールは、つくり手と生活者が出会い、想いを交わす場にもなりました。これからもやまとは、沖縄の美しい手仕事と、その背景にある文化や物語を未来へつないでまいります。



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