THE YARD
はじめての、きもの vol.19

あるひとときを想起し、思慕の情がわき上がる瞬間が日常には溢れています。
少し手間を有するきものですが、そんな手間を愛しいと感じられたエピソードをお届けします。

第19回目となる今回は、SIRI SIRI 代表、デザイナーの岡本菜穂さんにお話を伺いました。

Q. きものを好きになった、または着るようになったきっかけを教えてください。

着物ではなく浴衣の話なのですが、背が高くて既製品の浴衣で合うサイズのものがなく、着物を仕立てる方に習って自分で浴衣をいくつか仕立てました。自分のサイズで仕立てられたものは着やすいだけでなく、着崩れも少ないことが驚きで、自ら仕立てた事で愛着もあり毎夏になると特別な予定がなくても着て出かけています。仕立てる工程や反物選びなどから着物や浴衣がどれだけよく考えられたデザインか理解できて、デザイナーとしてもその世界に魅了されました。

Q. THE YARDのきものを着て、どのように感じられましたか。

江戸小紋を着させて頂きましたが、小紋の中にささやかなデザインの遊びがあったり、羽織や小物などの組み合わせの楽しさがあったり、そういうところが着物の世界の魅力なんだろうなと思いました。私もジュエリーデザイナーとして、装いにどうアクセントを加えて日常を素敵にするかを日々考えているので、着物の世界と通じるものがあると感じました。今回は私が初めてお着物用にデザインしたガラスの羽織紐と帯留めも合わせて頂きましたが、洋服に合わせるジュエリーとはまた違った表現ができて新鮮でした。

Q. 今回のきものを着て、どのような時間をお過ごしになりたいですか

今回着させて頂いた淡い水色のレイヤードが今住んでいるスイスの爽やかな風景を思い起こさせるような色合いなので、何か特別な機会があれば向こうでも着てみたいと思いました。着物って色のコントラストの強い組み合わせがヨーロッパなどではイメージされているので、こういう繊細な色のグラデーションが美しい着物ももっと知ってもらいたいですね。この淡水色の着物を着てスイスの湖畔を散策などしたら夢の中のような景色になりそうです。


岡本 菜穂/Naho Okamoto

身の回りにある素材と伝統的な職人技術と掛け合わせたジュエリーブランド〈SIRI SIRI〉を2006年にスタート。2018年よりスイスに拠点を移す。

@siri_siri_official

スタイリングアイテム





きもの:江戸小紋 行儀×万筋 灰
名古屋帯:西陣 変わり雪輪
羽織:無地染め 蒼白
羽織紐:SIRI SIRI × THE YARD 「KAWANE」
帯留:SIRI SIRI × THE YARD 「TOWA」
帯〆:ニ分紐 笹波 銀
帯揚:参考商品
履物:クレープベージュ





ピアス:SIRI SIRI RADEN Earrings Square
指輪:SIRI SIRI KIRIKO Ring