JOURNAL
読みもの
2026.02.24
Special Interview
宿つなぎプロジェクト
「柳川藩主立花邸 御花」
YAMATO Lab. の人気シリーズのひとつ「宿つなぎ」。全国の温泉地や宿泊施設で使われた “ゆかた” を使い繋げるプロジェクトです。今回は、その想いに賛同しゆかたをご提供いただいている協力旅館、「柳川藩主立花邸 御花」に「宿つなぎ」に対する声をお寄せいただきました。
福岡県柳川市、掘割(ほりわり)が網の目のように巡る「水の都」。江戸時代、柳川藩主・立花家の邸宅として築かれた「御花」は、約400年にわたる大名文化の記憶を今に伝える料亭旅館。敷地全体が国指定名勝であり、藩主の末裔が現代までその歴史を繋ぎ続ける稀有な場所として知られています。
「御花」では、宿つなぎ以外にも様々なお取り組みをしています。2025年1月にリニューアルオープンされた際には、株式会社やまとが展開するユニフォームオーダーメイドサービス「印FORM」にて、お客様の滞在着となる新たな「ゆかた」とスタッフユニフォームの「半纏」を制作させていただきました。
それぞれの交流を通して感じられた、ゆかたや宿つなぎの想いをお届けいたします。
宿つなぎについて
誰もが一度は袖を通したことのある、ゆかた。
その中でも温泉地や宿泊施設で季節を問わず日々着用されてきたゆかたには、それぞれに個性と歴史があり、多くの方々に愛されてきました。「宿つなぎ」は、そんなゆかたたちが役目を終えた先で経年変化によって生まれた風合いや情緒感を活かし、新たなアイテムとして生まれ変わらせ再び人々の手元へ届けることを目的としたプロジェクトです。
御花について
江戸時代に柳川藩主立花家の邸宅として築かれ、約400年の大名文化を受け継ぎ、現在も藩主の末裔が運営している料亭旅館。宿泊施設でありながら約7,000坪の敷地全体が国指定名勝に指定され、民間で国指定の文化財を維持している稀有な場所として知られています。
藩主が家族と暮らすために誕生した場所は、100年、また100年と歴史を積み重ね、受け継がれてきました。世代を超え、数々の危機を乗り越え歴史を紡いできた御花は今、次の100年を見据えています。
水と共に生きる 柳川
柳川は、「掘割(ほりわり)」と呼ばれる水路が街全体に広がり、舟が行き交う水の都。日本一の干満差(6メートル)を生み出す有明海と共にある干拓地で弥生時代から先人が少しずつ形づくってきた唯一無二の地形が特徴。真水を得ることが難しい地形のため、土を掘り、陸地化しそこに水を流すという仕組みが人の生活には不可欠でした。江戸時代に完成したこの仕組みが、現在も水害を防ぎ、人々が生きていくため住みやすい環境へと整えてくれています。
柳川藩主立花邸 御花様より
御花は約400年の歴史を受け継ぐ、柳川藩主立花家の末裔が営む料亭旅館です。もう古びてしまい、浴衣としての寿命を終えた浴衣が、このように時代を超えて着ていただける1着になっていくことに感動いたしました。御花でも販売しておりますが、特に海外のお客様にも好評で、世界中で思い入れのある浴衣を着てもらえることを、とても嬉しく思っております。
ゆかたに描かれた「おはな」の文字
伯爵家に生まれ、屋敷を活用して料亭旅館を創業した立花家16代 立花文子が手書きした宿の屋号「おはな」の文字が入っています。また、彼女が愛した菖蒲などの花々が描かれています。
料亭を創業した75年前からお客様の寝る際の衣は浴衣で、現在も変わっていません。むしろ、やまとさんにお願いしたリニューアル後の浴衣は、袖を長くしていただきました。大名家の宿に泊まる、という文化体験を楽しんでいただきたいという想いで今後も向き合っていきたいと思っております。
なぜ、「宿つなぎ」への参加を決めたのか
私たちはリニューアルの際に、ユニフォームや、お客様の新しい浴衣もやまとさんにお願いしました。やまとさんよりお褒めのお言葉をいただき、私たちは旧浴衣が実は素晴らしいデザインであることに気づくことができました。その際に、お誘いいただいたのが「宿つなぎ」です。たくさんの想い出を積み重ねてきたこの浴衣をぜひ多くの方に着ていただきたいと参加を決めました。今回導入した浴衣も時が経てば宿つなぎを通して歴史を大切に、新しい姿に生まれ変わる。まさに私たちが目指す文化財を100年後まで繋いでいくということが共通していると思います。
宿つなぎに対するお客様の反応
美しいデザイン性に惹かれてお声をかけていただき、その後お話の中で取り組みの物語に共感され、購入してくださることが多いです。洋服なので日常の中に浴衣を取り入れられることに、海外のお客様も日本のお客様も楽しんでくれているようです。
400年の歴史を背負う御花様と、役目を終えたゆかたに新たな命を吹き込む『宿つなぎ』。両者が共鳴するのは、形を変えながらも『大切な文化を次世代へ繋ぐ』という純粋な願いがあるからこそだと感じました。柳川の掘割が絶えず水を運び続けるように、このゆかたたちもまた、新しい持ち主とともに物語を紡いでいくことでしょう。
ご協力いただきありがとうございました。
〒832-0069 福岡県柳川市新外町1