<株式会社やまと>
「きもの記念撮影会」‐困難な環境を生きる若者たちと共に、きもので祝う節目の日
<株式会社やまと>「きもの記念撮影会」
‐困難な環境を生きる若者たちと共に、
きもので祝う節目の日
株式会社やまとは、社会的養護を受けている方やその経験者を対象に、人生の大切な節目を祝う「きもの記念撮影会」を実施いたしました。
この取り組みは、当社のビジョン「きものでエキサイティングな世の中をつくる」を目指す中で、“誰もがきものを楽しめる社会”を実現するための一歩です。私たちが目指すのは、どんな環境にあってもきものを通して前向きな気持ちや新しい自分に出会え、誰もがその魅力を感じられるようになること。きものを楽しみ、個性を楽しみ、自分らしいチャレンジを楽しめる世界。自分と同じように、個性を楽しみ、チャレンジを楽しむ他者を尊重し、受け入れる世界です。
− きものを通して前向きな気持ちを紡ぐ −
日本には、困難な環境で育ちながらも、自らの力で生計を立てている若者がいます。その中には社会的養護*を受けている方々やその経験者もいます。彼らの中には、成人を迎える前に児童養護施設を退所せざるを得なかったり、虐待や貧困といった問題に直面しながらも、何とか自力で生活をしている方たちがいます。様々なバックグラウンドを持つ彼らの生活は決して容易ではなく、安定した生活を確保するために多くの困難を乗り越えることが求められています。
* 保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。(「こども家庭庁」より)
こうした状況下で、人生の節目に振袖を着ることやお祝いをすることは、簡単に叶うことではありません。そのため、多くの方々がこの「お祝い」を諦めているのが現実です。しかし私たちは、「きもの」や「振袖」に諦めや悲しみを感じるのではなく、きものを通じて新たな自分に出会い、ワクワクや前向きな気持ちを感じてほしいと考えています。特に「節目のきもの」や「撮影会」では、祝福と感謝、新しい一歩を踏み出すためのエールが自然と溢れます。この撮影会が参加者の方々にとって、喜びや自信を感じ、何か新しい一歩を踏み出すきっかけとなることを願っています。
− 参加者の想いを形にする瞬間 −
撮影会は、アフターケア相談所「ゆずりは」様からのご提案をきっかけに実現しました。
「ゆずりは」様は、社会的養護を受けてきた若者たちや、虐待や支配などの理由から親や家族を頼れない方々が困難な状況に直面した際に、サポートと相談を提供している団体です。お話を伺った際、多くの相談者が日々の生活に精いっぱいで、「振袖を着たい」と思っても経済的・精神的な理由からその選択肢を持てないことがほとんどだということを知りました。
私たちにできることを模索する中で、「きもの」を通じて少しでもその状況を変え、参加者一人ひとりにお祝いの気持ちを届けるために、撮影会を開催することを決定しました。
撮影会は、東京・大阪の2会場で行い、20歳から24歳の計8名の方が参加されました。
撮影会当日
− ヘアメイクで華やぐ表情 −
当日は、「BEAUDOUBLE−ビューダブル−」様、「株式会社アニバーサリー」様のご協力のもと、プロのヘアメイクが施されました。最初は緊張されていた参加者の皆さんも、ヘアメイクが完成する頃には表情が明るくなり、緊張がほぐれていく様子が印象的でした。プロの手によって自分が理想とする姿になれる喜びを感じ、皆さんが見せてくれる笑顔に、私たちスタッフも心から嬉しくなりました。美容が内面からの自信を引き出し、輝きに変わる瞬間を目の当たりにし改めて「美容」の力を実感いたしました。
児童養護施設で過ごす子ども達、社会的養護の若者達、里親家庭、施設職員を対象に美容室のアシスタントやスタイリスト達が技術向上や社会貢献のために施術を行うプロジェクト。
振袖と袴を中心としたレンタル&フォトスタジオ「アイドル byやまと」を全国に展開。大阪での撮影会では、会場の提供と撮影にも、ご協力いただきました。
− ご自身で選んだ振袖でお支度 −
今回ご参加いただいた方々には、数種類の振袖の中からお好きなものを選んでいただきました。振袖に袖を通した瞬間にこぼれる笑顔、幾重にもなるきものに「きものってすごい!」「こうなってたんだ~!」と着付け場にも明るい声が響き渡る場面も見られました。
着付けは、やまとのスタッフが担当し、両会場の近隣スタッフ計6名と共に実施いたしました。
− 参加者とスタッフ、笑顔が広がる一日 −
撮影が始まると、振袖姿の参加者に視線が集中し、恥ずかしそうにしていたり緊張していたりする姿が見られました。しかし、シャッター音とともに周囲から「かわいい!」「最高!」「おめでとう!」といった声が飛び交い、参加者の皆さんもだんだんリラックスし、自然な笑顔を見せてくれました。
撮影後は、他の参加者と一緒に写真を撮ったり、振袖姿をカメラに収めたりと、それぞれの瞬間を楽しんでいただけました。
参加者の方からは、「こんなに周りから『可愛い』って言われたことがなくて、生きていることを肯定されているようで嬉しかった」や「明日からも頑張ります」といった声をいただき、私たちスタッフも大きな力をもらいました。また、「ゆずりは」様からも「普段の生活では大変なことが多いけど、あんなに楽しそうな笑顔を見ることができて良かった」と仰っていただき、改めて「きもの」や「美容」「写真」の力を実感しました。
− 未来に向けて −
撮影会を通じて、さまざまな社会的課題を認識する貴重な機会となりました。どんな困難に直面しても、夢を持ち、日々を懸命に生きる彼らの姿から、多くの学びと活力をいただきました。私たちは、きものを通じて彼らの輝きを存分に引き出し、未来への一歩を後押ししたいと強く願っています。これからも、きものの可能性を信じ、多様な生き方を尊重し、誰もがきものを楽しめる社会を目指してまいります。
私たちは、やまと。
きもので心踊る夢を実現していく会社です