<株式会社やまと>
後継者育成事業の一環として「本場大島紬技術専門学院」および「大島紬技術養成所」にて2025 年度の 入校式を実施

左から:平さん、栄先生、折田さん、登山さん(本場奄美大島紬技術専門学院)
株式会社やまとは、一般財団法人きものの森と連携し、日本各地の伝統的な染織文化の継承を目的とした後継者育成事業を支援しています。その一環として、2025 年度も本場大島紬の織工を育成するための教育機関において、新たな入校生を迎えました。
2025年度、奄美大島にある「本場奄美大島紬技術専門学院」に4名、鹿児島にある「大島紬技術養成所」に4名、合計8名が入校し、織工としての一歩を踏み出しました。
現在は、両校を合わせて計8名の在校生が日々技術習得に励んでおり、伝統産業の未来を支える人材の育成が着実に進んでいます。
本場大島紬は、世界的にも類を見ない精緻な絣模様、そして草木染や泥染による美しい黒の光沢が特徴の織物です。
制作には30以上の工程を要し、その多くは分業による手仕事で成り立っています。特に「製織」の工程では、織工が一反13メートルの反物を、一日数センチずつ丁寧に織り上げていくという根気と熟練の技が求められます。
しかし近年では、織工の高齢化と後継者不足が深刻な課題となっており、特に分業体制が主流の本場大島紬産地では、機屋単位での育成が難しい状況です。そうした現状を踏まえ、株式会社やまとと一般財団法人きものの森は、織工を志す若者が安心して学び、将来職人として活躍できる環境づくりに継続的に取り組んでいます。
今後も、やまとは日本の染織文化の継承と振興に努めてまいります。