<やまとの取り組み>本場大島紬 後継者育成事業について

● 株式会社やまとは⼀般財団法⼈きものの森と連携し
「本場大島紬・織工育成プログラム」を行っています。
● 株式会社やまとは⼀般財団法⼈きものの森と連携し「本場大島紬・織工育成プログラム」を行っています。
現在、多くのきものさんちでは、従事者の高齢化・後継者不足の問題に直面しています。本場大島紬のさんちも例外ではありません。世界でも類を⾒ない精緻な絣が特徴の本場⼤島紬は、30以上にも及ぶ全ての工程が手作業で行われ、どの⼯程も⾼度な技術が求められます。そして、その技術習得は決して一朝一夕ではいかず、後継者を育成することが⾮常に難しく、その中でも織工の育成は緊急課題となっています。
大島紬という1300年続くものづくりの⽕を決して絶やさぬよう、1980年より続く「本場奄美⼤島紬技術専⾨学院」の支援を行政と共に2018 年7⽉よりスタートさせました。
● 国・さんち・民間が結束し、始めた事業
大島紬の織を学ぶことのできる学校は、奄美市と鹿児島市にあります。さんち(奄美・鹿児島の各組合)と国(地元行政:鹿児島県、奄美市、龍郷町)、民間(株式会社やまと)で垣根を超えた話し合いを重ね、「大島紬を未来に繋げていくためには、今動く必要がある」と2015年に織工養成所設立を決定し、専任の指導者を配置。織工養成所の指導者の給与は国ときものの森財団で負担しています。2年間でプロの織工になることを目指し、指導体制を整えました。
● 現在29名の方がプロの織工として活躍しています
開校した2018年以降、約60名の方が入校されています。しかし、織工程とは大変根気のいる仕事であること、デリケートな手仕事であること、高い志が必要なこともあり、現在プロの織工として従事されている方は約30名(約50%)と険しい道のりです。それでも、当事業以外からの新規従事者はほとんど生まれていないのが実態です。私たちはこれからも、大島紬を未来に繋げていくために、同校の支援を行います。
● 2024年度 鹿児島市入校生3名、奄美市入校生2名
入校式の様子は、地元新聞で取り上げられました。



● 「本場奄美大島技術専門学院」入校生のお二人へインタビュー

入校式にて 左)蘇畑さん、右)磯部さん
蘇畑さん(奄美大島大和村出身・66歳)
「子供の頃、各村には大島紬を織る場所があり、生まれた時から大島紬の存在は知っていたので、大島紬は身近な存在。この島が大好きなので、島で織ることができるのは嬉しいです。入校して学び始めてから、大島紬の難しさ、多くの人の手がかかっていることに気付きました。この年齢での学びは、糸の調整などとても難しいですが、同時に非常にやりがいを感じています。」
磯部さん(山口県山口市出身・18歳)
「昔から伝統工芸に興味があったのですが、母が見せてくれた大島紬にもう直感的に心にピンときて。“これだ!これをつくりたい!!”と思い、入校を決めました。大島紬は現代人も魅了する本当に素敵な織物だと思っています。でも進路を決めた時、同級生で大島紬を知らない人も多くて…。もったいないというか。
だからこの大島紬の魅力を、時代や国も超えて、広く、永く、伝えていけるようになりたいなと思います。」