ハタチのわたし Interview
Kanoco /モデル
兵庫県生まれ。「リンネル」「ONKUL」「NAVYS」「OZ magazine」など数多くのファッション・カルチャー誌を中心に、広告・MVでも幅広く活躍中。
モデルとして第一線で輝き続けているKanocoさん。凛とした透明感と屈託のない笑顔が魅力的で、カメラの前では瞬時に着るものの魅力を捉え体現するプロフェッショナル。自然体で、瑞々しい感性の中で発信されるご自身のライフスタイルも多くの支持を集めています。
キャリアを積み重ねながらも、いつも新鮮な魅力を放つ彼女が語る、ハタチという節目。その時何を思い、どんな未来を描いていたのか。夢を追いかける姿勢、そしてそこにかける想い、悩んだ時にどう乗り越えてきたか——彼女の言葉から、これからの人生に向けたどんなメッセージを受け取れるのでしょうか。これからの生き方にきっと役立つヒントが詰まった、Kanocoさんのインタビューをお楽しみください。
前 編
<幼少期の思い出とハタチの決断>
子供の頃は周りを気にしていた私。
でも好きなものには一直線。
ーー幼少期、どんなお子さんでしたか
結構周りを気にしている子だったかな。怒られないようにとか。 3人兄弟の末っ子で。兄とはよく喧嘩していじめられて泣いてました。年も1個上で近かくて。仲は良かったけど、一緒に遊ぶが故に喧嘩になる、みたいな。
好きなものには一生懸命だったと思います。中学校や高校でも部活に打ち込みました。
ーーハタチの頃はどんな状況でしたか?
ハタチの時は、ちょうど上京を決断した時期でした。それまでは関西でサロンモデルだったり、モデル活動はやっていて。でもやりたい仕事は全部東京にあって。だから、東京に強い憧れを持ちながらも、進むべき道に迷っていました。高校卒業後、ブライダルプランナーを目指して神戸にある専門学校に進んで、その時は全然モデルの仕事はしていなかったのですが、あるヘアショーに出たのをきっかけに、その瞬間に舞台の上で感じた楽しさが忘れられなくてモデルを志すようになりました。私のやりたいこと、これだ!と。とにかく感じたことのない高揚感を持ってしまって。
ーー学校をやめたいと伝えた時のご両親の反応は
いかがでしたか
両親には、自分のやりたいことや想いを伝えて、やめたいと話しました。でも、怒られたりはなく。もちろん、絶対ダメなことには厳しい両親ですが、私が自分の道を決めることに対しては、私の選択を尊重してくれました。両親にとっては、何を選んでも、それが私にとって正解だと信じてくれていたんだと思います。
<夢を掴みに東京へ。
一歩踏み出す勇気が未来を切り開く>
原宿でスカウト、一日勝負!
ーー周りの理解も得てモデル活動をスタートされたのですね。東京に憧れを持ってハタチで上京とのことでしたが、どんなきっかけがあったのでしょうか
モデルとしてやりたいと思う仕事は全部東京にあって。恋焦がれてどうにか行きたいと思ったのですが、当時はSNSもないですし、知識もない。もう東京でモデルになるには、原宿でスカウトだ!それしかない!と思いたって、1日勝負で東京へ行きました。5~6時間原宿を練り歩いて。休むことなく。東京でカフェに行くのも怖いと思ってたんですよね。その時、いろんな方に声をかけていただいた中にきっかけとなった美容師さんがいて。最初はサロンモデルの話だったんですけど、なぜかその方に自分の状況や想いをいっぱい話せて、そしたら当時のマネージャーと知り合いで、その場で写真を撮って送ってくれて。その翌日事務所来なよって。で今の事務所に所属することが決まりました。偶然の積み重ねで、すごく不思議な感じですけど、直感を信じてよかったです。
<成功への強い覚悟。夢の表紙達成>
達成し続けることが一番の課題
ーーその一日に懸けて、なりたい自分を掴みに行かれて、それが今に繋がっているんですね。実際上京してみてどうでしたか。
上京してからは、ワクワクとか不安よりも、やらなきゃ!みたいな気持ちでした。上京したからには成功しなきゃって。専門学校も辞めているし。成功しなきゃ、なんとかしてお金を稼がなきゃ、という想いでいました。
ーー実際夢だと仰っていた雑誌に出ることや表紙を飾ることを早々に達成された印象ですが、ご自身としてはどう受け止めていらっしゃいましたか
雑誌の表紙や雑誌に出たいってそれを夢見てきて、初めて出た雑誌が『装苑』で、それに出られて嬉しいと思ったんですけど、嬉しいって思い続けてるともうその次の月には変わっていて。1回出ただけじゃダメじゃん、と思ったんです。うれしかったんですけど、1ヵ月後はそうじゃなくなるっていう現実に愕然として。出続けないと意味ないなと思ったんです。だから達成というか、達成し続けないと意味がなかったんですよね。
<モデルとしての心持ちと謙虚な姿勢>
常に新人の気持ちで
ーーだからですかね。ずっと新鮮で謙虚な印象です。どんな心持ちでお仕事をされてますか
そこはフラットというか。もう心持ちとしてはいつだって、「初めまして、よろしくお願いします!」って新人みたいな気持ちで。常に緊張していますし。
ただ私はもう「生涯モデル」「一生モデルやる」と思っているんです。それはやっぱりファッションが好きだから。洋服を着て、見せるっていうことが喜びなんです。このモデルという仕事が大好きで。自分が可愛く映るとか綺麗に映るとかそういうのじゃなくて、着てるものがメイン、それを綺麗に見せるのが仕事みたいな気持ちですね。ずっと。
スカウト、1日勝負!の新幹線にて
スカウト、一日勝負!でも持っていたお気に入りの赤いバッグを持って、オーディションに行ったり、仕事に行ったりしてました。
初めての作品撮り
初めてのブック
初仕事 haco.
初雑誌 「装苑」
強い意思と行動力で、つかみ取った夢の職業「モデル」。
後編は、彼女の今に迫ります。