困難な環境を生きる若者たちと共に、きもので祝う「きもの記念撮影会」を実施しました
vol.18/2024.12

2024年11月から12月にかけて、東京・大阪の2会場にて、困難な環境で育ちながらも、自らの力で生計を立てている社会的養護*を受けている方々やその経験者を対象に、人生の大切な節目を祝う「きもの記念撮影会」を実施いたしました。
* 保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。(「こども家庭庁」より)
今回の撮影会はアフターケア相談所「ゆずりは」様からのご提案をきっかけに実現しました。
「ゆずりは」様は、社会的養護を受けてきた若者たちや、虐待や支配などの理由から親や家族を頼れない方々が困難な状況に直面した際に、サポートと相談を提供している団体。お話を伺った際、多くの相談者が日々の生活に精いっぱいで、「振袖を着たい」と思っても経済的・精神的な理由からその選択肢を持てないことがほとんどだということを知り、私たちにできることを模索する中で、「着物」を通じて少しでもその状況を変え、参加者一人ひとりにお祝いの気持ちを届けるため、撮影会を開催することを決定しました。
やまとでは「きものでエキサイティングな世の中をつくる」というビジョンを掲げ、“誰もがきものを楽しめる社会”を実現するため、どんな環境にあっても着物を通して前向きな気持ちや新しい自分に出会え、誰もがその魅力を感じられるようになることを目指しています。
当日は、「BEAUDOUBLE−ビューダブル−」様、「株式会社アニバーサリー」様のご協力のもと、プロのヘアメイクも施していただきました。初めは緊張されていた参加者の方も、ヘアメイクが完成する頃には表情が明るくなり、緊張がほぐれていく様子が印象的でした。プロの手によって自分が理想とする姿になれる喜びを感じ、皆さんが見せてくれる笑顔に、私たちスタッフも心から嬉しくなりました。
参加者の方からは、「こんなに周りから『可愛い』って言われたことがなくて、生きていることを肯定されているようで嬉しかった」や「明日からも頑張ります」といった嬉しいお声をいただきました。また、「ゆずりは」様からも「普段の生活では大変なことが多いけど、あんなに楽しそうな笑顔を見ることができて良かった」と仰っていただき、改めて「きもの」や「美容」「写真」の力を実感できた撮影会となりました。