文化財活用センター

東京国立博物館

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踊る埴輪&見返り美人修理プロジェクトを
応援しています

未来に伝える

 2022年3月に創立150年を迎えた日本で最も歴史のある博物館「東京国立博物館」と「文化財を1000年先、2000年先の未来に伝える」ための活動を行っている(独)国立文化財機構「文化財活用センター」は、記念事業の一環として、同館を代表する名品「埴輪 踊る人々」と「見返り美人図」の文化財修理 を行うべく、この度ファンドレイジングを実施しております。貴重な文化財の修理のために 個人・企業から寄附を募っており、当社は本プロジェクトへ賛同・協賛しております。

 同じく日本文化のひとつである「きもの」を生業とする当社は、本プロジェクトの理念に深く賛同し、東京国立博物館・文化財活用センターへ企業協賛を行うとともに、広く皆さまに周知をはかることといたしました。

以下、東京国立博物館プレスリリースより引用

<埴輪 踊る人々>について

「埴輪 踊る人々」 
埼玉県熊谷市 野原古墳出土 古墳時代・6世紀

作品説明

ポカンとあいた目と口の愛らしい表情。左手をあげて右手を胸前に出すポーズ。埴輪と言えばこのフォルムを思い浮かべる人も多いでしょう。小さい方の埴輪は、腰に鎌を着け、顔の両脇で髪を結って束ねる美豆良(みずら)という男子の髪型をしています。

必要な修理

胴や腕の部分に横向きの亀裂が複数みられます。また、過去の修理による石膏が経年劣化し、一部に剥離が生じている状態です。

今回の修理では、解体、旧修理による石膏部分の除去、亀裂の強化・接合などが行なわれる予定です。旧修理の石膏を除去した部分には劣化しにくい補填材を使用し、最新の知見をもとに復元する計画です。

<見返り美人図>について

「見返り美人図」 
菱川師宣(ひしかわもろのぶ)筆 江戸時代・17世紀

作品説明

目にも鮮やかな濃い紅色の綸子(りんず)地の振袖をまとった若い女性がふと振り返る一瞬を描いた、菱川師宣晩年の肉筆画。切手のデザインになったことでも有名です。

「玉結び」というヘアスタイル、菊や桜の花で描かれた「花の丸」模様の振袖、人気役者の着こなしにちなんだ帯結び「吉弥(きちや)結び」など、当時の町中で流行した最新のファッションを描いていることもこの作品の魅力です。

必要な修理

桜の花など絵具の部分には多くの剥離、剥落がみられる状態です。こういった部分には膠(にかわ)水溶液など天然の接着剤による剥落止めを行ない、これ以上傷みが進まないよう保護します。

本作品には巻いて収納する掛軸特有の傷みともいえる、折れや擦れがみられます。折れには、細く帯状に切った和紙で裏 面から部分的に補強する、「折れ伏せ」といわれる技法を用いて修理をします。表から見える部分ではありませんが、長く作品を引き継いでいくうえでとても大切な処置です。また擦れて欠損した部分には、そのかたちに合わせて調整した、本紙に似寄りの材料を用いて補います。その他、経年による汚れのクリーニングや旧裏打ち紙の除去、新たな裏打ちも行 います。

一人でも多くの人々が日本の文化財に親しみ、身近に感じることができるように

 東京国立博物館は150年に渡り先人から受け継いだ文化財を大切に守り、次の世代へ伝えてまいりました。これまでも東京国立博物館は文化財の保存と修理に日々取り組んできましたが、限られた予算の中で多くの文化財が修理の順番を待っています。
「埴輪 踊る人々」と「見返り美人図」という館を代表する作品の修理をきっかけに、ひとりでも多くの方と一緒に過去と未来の懸け橋となって、かけがえのない文化財をつないでいきたい。その思いから新たに立ち上がったプロジェクトです。

東京国立博物館創立150年記念 踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト