BEAMS JAPAN
オープン記念対談

BEAMS JAPAN

これまで世界中の良いモノ・コトを日本に提言し続けてきた創業40周年のビームスが、日本を切り口とした新たなカルチャーショップ「BEAMS JAPAN」を新宿にオープン。BEAMS 社長 設楽 洋様と弊社会長 矢嶋孝敏が、5階から地下1階までBEAMS JAPANを紐解きながら案内します。
(以下、敬称略)
BEAMS JAPAN SHINJUKU SHOP


矢嶋:「BEAMS JAPAN」をオープンされた事を期待と共に、とても嬉しく思っています。はじめに“BEAMS JAPANを作られた動機”から教えてください。

設楽:ビームスも今年で40周年になります。私達は、海外の良いモノやコト、ライフスタイルを日本に紹介してきましたが、ある程度経ってくると、改めて自分が日本人であること、そして意外と灯台下暗しであったことに気づきました。
 10年前から、40周年を機に、日本の良いモノ・コト・ヒトを国内外へ伝えていきたいと思っていました。そのキッカケは、20年ほど前に、ロンドンのサヴィルロウのギーブス&ホークスに行った時のことです。100年前のシャツのスワッチ(素材見本)を見せてもらい『これ凄く良い素材ですね!』と言ったところ、『それ、日本のきものの生地だよ…』と言われ大変驚きました。彼ら海外の人々が100年も前に、日本のきもの素材をシャツ生地にしていたという事実に、私達のすぐ側に良いモノがあるのに、そのことに気づかず、海外の素材ばかりみていたなぁ…と気付かされたのです。
 これも20年ほど前の話ですが、パリでコンランが評判になっていた頃、そこに飾ってあった“曲げわっぱ”を見て、こういう風に組み合わせたらカッコイイんだな~、と思いました。このように、海外で「良いな!」と思ったファブリックやモノが、実はメイド・イン・ジャパンだった…ということは意外と多く、自分達の手元にあるのに、海外の隅々まで行き、海外の良いものばかりを探していたことに気付かされたことが、今回の発想の原点になっています。
 既存の店舗でも、以前からJAPANのモノは少しづつフィーチャーしてきましたが、トータルに展開していくことが鍵だと思っていました。この計画が始まってから、東京オリンピックが決まるなど、ある種の日本ブーム・日本に着目するような潮流もあり、日本にスポットを当てたコトをやり始めているところも増えています。しかし、私達は、単純にインバウンド対策や、オリンピックを目指して、ということでは無く、50年、100年先を見て、自分がそうであったように、まず日本人自身に“日本ってカッコイイよね”ということを気づかせるようなキッカケづくりをしたい!と思っています。今回のBEAMS JAPANでもよくインバウンド対策ですか? などと言われますが、そうではなく、日本人が見て“イイよね!”と思えるようなことが出来てはじめて、海外へ伝えられると考え、既存店でのコーナー展開に留まらず、思い切って丸ごとやってしまおう!と、今回のプロジェクトに至りました。


BEAMS社長 設楽洋氏ときものやまと会長矢嶋孝敏の対談

矢嶋:私も、BEAMS JAPANがインバウンド対策だとは全く思いません。私が“BEAMS TEAM JAPAN”のチームメンバーとなった際の応援メッセージとして「日本で生まれたビームスが、日本から世界へ光を発することに、心からの連帯を送ります。」と書きましたが、日本から生まれたビームスが世界を経て日本に光を当てるということは、良いサイクルだと思います。ビームスは日本のセレクトショップの発祥です。私たち世代にとっての青春は、アメリカへの憧れでした。進駐軍がいて、ラジオでFENを聴く、バスケットシューズとスニーカーはどうちがうか議論したり、それがカッコイイことでしたよね。しかし、今の若者たちは、アメリカに対し、ある種コンプレックスが無く、日本に対してもフラットにシンクロするところもある。そうした時代・タイミングともマッチしているのが、今回のBEAMS JAPANではないでしょうか。
 以前の三越銀座は、インバウンドに振れた時がありました。しかし昨年11月の改装時に、インバウンドではなく日本に戻したことは、とても素晴らしいと感じました。それと同じ意味で、世の中の目が、日本へ戻ってきたことを嬉しく思っています。

設楽:タイミングは良かったかも知れないです。今回、もし完全にインバウンド対策であれば、もっとベタで分かりやすいもの、ビームスのひねりを入れないものをやるのですが、それでは、ただ単に産地が出したいものを直接出すだけとなります。そうではなく、ビームスなりの“フィルター”や“ひねり”を入れ、日本の人たち、そして次世代へ伝えて行きたい、というMDをしました。

矢嶋:各産地の商品をただ単に並べない、というのはとても正しいですね。各産地の商品を紹介したいだけで並べるのは、産品であり、作品ではあるけれども、商品ではないと思うのです。それでは、商品として消費者の価値を共有できるだけの、流通性がありません。そういう意味で、1階のセレクトを見てみると、各産地のこれを売って欲しい…というものを、ただ並べているのではない、セレクトショップとしての根本的な意志を感じます。次に、プロセス的な苦労話を聞かせてください。

設楽:ビームスがやるのだから、単純な伝統工芸だけでなく「どれだけビームスらしい振り幅でエディション出来るか」が一番苦労した点です。社内では“匠からオタクまで”と言っていますが、上手にやらないと、その振り幅がひっちゃかめっちゃかになってしまいます。新宿の店は、ちょうどフロアが分かれていたので良かったのですが、古くからの職人技、匠のモノから、新しいストリートカルチャーが、混ぜこぜになっていることは、これからもエディションして行かなければいけないと思っています。

BEAMS JAPAN SHINJUKU SHOP

矢嶋:ビームスにとって“現状とは常に変化していくこと”ですが、そうした観点で見ても5階の完成度はさすが、と感じました。渋谷のBEAMS fennica(以下フェニカ)がなくなったのは残念に思っていましたが、今回再び出来たフェニカを見て、「日本のクラフトとアートギャラリー」のフロアとしての完成度が高いと感じました。人間国宝 濱田庄司さんの三男、濱田篤哉さんの貴重な作品もありましたが、普通だったらそこで終わってしまうところ。そのような作品とともに、益子民芸館の小皿も日常に寄り添う文化として普通に扱っているのが、とても嬉しいことでした。濱田庄司釜だと、それなりの価格になります。ただ、それと同時に普通に使える益子皿が1,000円少しで一緒のフロアにあることが良かった。他にも島根の出西しゅさい釜や、富山 八尾の鯉のぼり 和紙のクラフトなどなど…、フェニカからの積み重ねを感じます。改めてビームスモダンリビングからフェニカへと移った、北欧のモダニズムに日本の民芸をフィットさせる不思議な試みが脈々と育っているんだ、と感じました。

設楽:矢嶋さんのように、歴史を知っておられる方には理解していただけますが、パッと見た方へ、どのように伝わっていくかが重要です。本来ショップとして、それが自然に伝わっていかなければならないと思っています。今はいろいろな解説をつけていますが、全体、あるいはワンフロアを見ていく中で、別に知識が無くても、自然と感じ取れ、伝わっていくような編集をしなくてはなりません。

矢嶋:BEAMS JAPANのような、セレクトして一つの世界を作り出すショップはあまりありません。しかもフェニカの背景があるから、民芸の中に民芸を置くのではなく、モダンリビングの中、北欧の中に民芸が自然と溶け込むようなニュアンスが訪れる方に伝わっていくと良いですね。

設楽:私達が北欧のモダンな家具をやっている際、柳宗理さんに出会いました。それを辿っていったら民芸につながったのです。自分達が足で辿って行ったら、たまたま歴史を辿っていた。それが、モダンリビングからフェニカへのポイントとなりました。それが完全でなくとも、どのように次の人たちへ感じさせることが出来るか、ということを考えています。

矢嶋:以前フェニカがオープンした際に「良いな!」と思ったのが家具でした。そして北欧や日本の家具をちゃんと説明できるスタッフが揃っていたことも印象的でした。書籍「ビームスモダンリビングからフェニカへ」の最後の方のページで、フェニカのディレクター北村恵子さんが撮った写真を見て、「かなわないな!」って、思ったのですが、それは、同じ部屋の中の椅子が全部違うというものでした。僕らは、ロングソファーと一人がけは同じもので統一する、とか、食器も同じものが5個揃っていないといけない、といった発想ですが、無理に壊す必要はなくとも、ごく自然にそうじゃなくても良いんだ…という発見がそこにありました。
 また、5階にはアートギャラリーもありますよね。月一くらいで変わるとのことですが、あそこでポップアップショップなどはされるのですか?

設楽:出来るのですが、あの場所は大体ギャラリースペースとしています。今現在フェニカがある場所に、襖の仕切りがあるのですが、そこが今後ポップアップで変わっていく場所としています。オープンから半年間、まず1回目としてフェニカを入れています。

矢嶋:5階もいいけど、1階にもポップアップがあると良いですよね。私共の話になりますが、6月22日(水)から7月5日(火)にかけて2週間、伊勢丹新宿店メンズ館1階でY.&SONSのポップアップショップをやることになりまして、今回BEAMS JAPANを見たときに、同じようにポップアップコーナーがあると良いな、と思いました。

設楽:実は、1階と5階、そして4階でも、ポップアップが出来るようになっています。1階は現在、47都道府県のものをやっていますけども、あるときには、例えば滋賀県だけになったりとか…ということもあり得ます。1階の入り口部分は、什器を全部取っ払うことも出来るので、そこで、行政であったり、あるいは職人との絡みといったポップアップやイベントが出来るスペースになっています。

BEAMS JAPAN SHINJUKU SHOP

矢嶋:それはとっても素晴らしいダイナニズムです。では下に降りていきましょう。4階は「日本のポップカルチャー」ですよね。ラジカセは良くわかりました。先日テレビを見ていたら、ラジカセ人気という話題があがっていましたが、中でも、ビンテージものは凄く人気があるんですってね。

設楽:ラジカセを300台ほど持っているコレクターの方もいらっしゃって、その方は古い車を治すのと同じように、すべて自分でパーツを調達して治しているんです。ですから売れていけば、どんどん新しいものを入荷していきます。私も2台購入しました。家に昔のカセットテープがいっぱいあって…、自分で作ったものとか。それが聞けるようになったので、楽しいですよ。BEAMS JAPANの向かいのビルにディスクユニオンさんがあるので、カセットテープといった音源も含めて今度コラボしたいとも考えています。

BEAMS JAPAN SHINJUKU SHOP

矢嶋:3階は「日本のセンス」での海外ブランドとのコラボですよね。L.L.BEANとのコラボブーツは今度買いに行こうと思っています。他、ラコステ、チャンピオン、アディダスなどありましたね。L.L.BEANのブーツは、ビームスらしさを感じましたが、他のアイテムでも、もっとビームスの匂いが出てもいいかなぁ、と思ったのですが、設楽さんはどう思われますか?

設楽:結構モノによって、かなりマニアというか、ターゲットを絞っている商品を揃えています。それは、それが好きな人でないと中々分かりづらいものなんですね。

矢嶋:ラコステでも、ポロシャツはともかく、スキッパーがありましたね。スキッパーは今、ある意味でマイナーですよね。そういった品揃えということですか?

設楽:例えばリーボックでも、ビームス的ウィットを入れて、片足がリーボック、片足がビームスと書かれているものがあったりなどと。ビームスロゴとリーボックロゴを一緒に使わせてもらうのは、40周年、そしてジャパンということでお願いしたものなので、おそらく二度と出来ないと思います。

矢嶋:ビームスネームの入ったリーバイスのデニムもありましたよね。

設楽:今年は、40周年ということもあり、春夏秋冬4シーズンに分けて各シーズン毎に各40種類のコラボ・限定商品を出します。その半分くらいはBEAMS JAPANに投入しようと考えています。

矢嶋:そういう意味では、BEAMS JAPANの1階から5階までが、劇場のように、或いは5スクリーンのマルチシネマコンプレックスみたいに出し物をしょっちゅう変えていけるということですよね。それはスゴイと思います。

設楽:ただそのために七転八倒していますけど(笑)。そのサイクルも考えないといけないと思っています。オープン時には、想定以上に、先ほど話されていた益子焼や、こけしなど、商品が3日位で無くなってしまい、今それをどうしたら良いか…と考えています。3階で言えば、スカジャンも全て完売、400体あった こけしも1日で無くなってしまいましたから…。このような目ぼしいモノが、ありがたい悲鳴ですが想定以上に出ましたので、そこをどうやって埋めるのかが課題です。どうでも良いモノで埋めるわけには行きませんし、その為のサイクルをキチンと考えないといけないと思っています。



BEAMS JAPAN SHINJUKU SHOP IMG

矢嶋:2階のループウィラーはいかがですか?

設楽:これは、日本人、外国人 両方にうけています。

矢嶋:ループウィラーでは、今までの速度の速い編み機ではなく、ゆっくりしか織れない、ゆるい吊り編み機を使っていますよね。ゆる編み機だと、ゆっくりしか織れないから、とても味が出ます。子供服のファミリアでも復刻して大人気ですが、赤ちゃんの肌にも優しい。当然生産性は悪いけれども、その味を活かしたモノが、最近出てくるようになりましたが、その1つの典型がループウィラーだと思います。

設楽:でも2階や3階を見て、やっぱりビームスはメンズライクだね、と言われます。レディスもありますが、やはりボーイズ的なものなので。実はここも迷った所です。というのも、メイド・イン・ジャパンというものが、男性にとっては、琴線に触れることであったりしますが、女性の場合は、メイド・イン・ジャパンというだけでは、モノを買わないという部分もありますよね。ですから、レディスをどのように展開するかは、けっこう難しく、悩みました。

矢嶋:男性は左脳で買い物をするけど、女性の場合は、まず右脳から入る。だから左脳を言われると葛藤するような所は確かにありますね。しかし今、そうしたボーイズシャツやボーイスデニムをボーイズライクに着たい!という女子も結構いるので、それはそれで良いのかもしれません。

BEAMS JAPAN SHINJUKU SHOP IMG

矢嶋:1階は先ほどおっしゃられたように、「しょっちゅう出し物が変わって行く」という形になりますよね。最後に、地下1階は日光金谷ホテル レストラン「クラフトグリル」。私もオープン初日の夜におじゃましました。金谷ホテルの名前は知っていたものの、行ったことはありませんでした。今回はじめて食事をしましたが、すごく美味しかったです。人気はいかがですか?

BEAMS JAPAN レストラン

設楽:お陰様で、けっこう人気はありますよ。

矢嶋:一緒に行ったのは、大森伃佑子、菊地敦己、塩川いづみ というそうそうたるクリエーターですが、美味しい上に夜の単価としてはリーズナブルだね、と言っていました。そういう意味では、昼の値段と変わらないですよね。

設楽:そうですね、昼の値段にあわせているので。ただ、夜は6,000円のコースもあるのですが、それがあまり出ていません。クラフトビールとつまみ、新宿百年ライスカレーなどが人気です。

矢嶋:コース料理があまり出ないのは、色々なものを食べるのにカジュアルな感じがちょうど良いからかも知れませんね。それでいて、食べたものにハズレがない。ただ、2回目、3回目の人が、ここは美味しいから…、という評判が出てきたら、じゃあ今度は奥の個室で、コース料理をゆっくり食べてみようか、ということは十分あると思います。

設楽:店の導線も少し手直ししようと思っています。1階のシャッターを閉めると、23時まで営業していますが、閉店してしまっているように思われることもあります。もう少し入り口を明るくしたりというように工夫しないと、上の店が終わったあとのお客様が通り過ぎてしまう可能性があるなと感じています。

矢嶋:昔は、新宿にも美味しいお店が何軒かありました。今でも、とんかつの「王ろじ」など、古くからの名店もありますが、街が大きくなった割には美味しい店が少ないと思っていました。新宿で生まれて、新宿で仕事をしている者としては、このお店はとても貴重な存在になると思います。席も六十四席かありますよね。

設楽:ちゃんとチェックしてますね(笑)スゴイなぁ、その通りです。

矢嶋:実は、店に行った際、結構席があるので、何席あるんですかって聞いたんですよ。

設楽:飲食業界の人みたいですね(笑)

矢嶋:5階から地下までずっと降りてきましたが、全体的に見て、ここはうまく出来たなって所と、ここはまだこれからだよね、というような自己評価や、これからの課題などをお聞かせください。

設楽:もともと全て試行錯誤ですし、これからもそれは続きます。商品も、MDの編集の仕方もそうです。その中で、良く出来たなと思うのは5階と1階、あと4階がどういう風にこれから変化するかといったところです。2階と3階は、今まで自分達がやって来た手法と違うので、課題としています。今までは、様々なバラエティを見せていくスタイルでしたが、今回は、1個のものに集中して奥行きを持たせるというスタイルで、更に、それをどんどん変えていこうという編集の仕方なのです。

矢嶋:今日、出し物をしょっちゅう変えていくことが出来る、ということを聞き、さすがだなと思いました。



BEAMS CEO 設楽洋氏 HIROSHI SHITARA

設楽:それ次第だなと思っています。ただ、今回のオープン時のように、想定以上に商品がなくなると、そのコーナーをどういう風に変えていくかのサイクルを考えないといけません。3階で完売したスカジャンのところは、今、メイドインジャパンのアロハになっています。

矢嶋:今回のBEAMS JAPANで一番良いと感じているのは「ビームスとして何かやろう!」という意志を非常に強く感じるところです。ビームスがやるわけだから、当然いろいろな視線にさらされると思いますが、そうしたプレッシャーの中で、ともかくスタートさせていったということに、覚悟を感じました。

設楽:かなり覚悟はしました。役員会議でも、これで採算がとれるのか、とほぼ反対みたいな感じでしたから…。特に、私達はこれまでカルチャーもやっていましたが、服で商売していたわけで、今回、服が2階・3階しかないということには、社内でもいろいろな声がありました。



きものやまと会長 矢嶋孝敏

矢嶋:それはBEAMS JAPANという店だけを考えるからであって、新宿、あるいは東京全体から見たときに、或いは、ビームスの見えないネットワークということを考えた時、あのBEAMS JAPANというお店は、その役割を果たすことで、他のビームスに対し一つのカルチャー的なブランドイメージを提供していく要素も含んでいるのです。もともとカルチャーとか、ブランドというものは目に見えるものではありません。そういう意味でも、私は今回のBEAMS JAPANは周りに評価されていくと思います。

設楽:今回オープンにあたり、放送作家で脚本家の小山薫堂さんと組ませていただきました。日本の伝統工芸に詳しい方、逆に、アキバ文化や中野ブロードウェイ文化に詳しい方も大勢いらっしゃいますが、いわゆる「匠からオタクまで」という振り幅でいうと、両方うまくコントロールできる人は誰かなと思ったとき、以前より知り合いで、いつか一緒に仕事したいねと言っていた小山薫堂さんが浮かびました。“おくりびと”から“くまモン”までされ、食にも詳しい。これはもう、彼しかいないかな、ということでアドバイザーになってもらいました。小山さんからは、自分の弱い分野もあるから「チームジャパン」というのを結成しましょうとご提案をいただきました。色々なジャンルで詳しい方に情報をもらったり、モノを出して頂いたり、イベント、ポップアップをやってもらったり、あるいは海外に対してルートを持っている人であったり…といった人々でチームを編成しましょうと。

矢嶋:そういえば、地下1階のクラフトグリルのペーパーシートに小山薫堂さんのコピーが書いてありましたね。さすがうまいな! と思いました。

設楽:中々気がついてもらえないのに、矢嶋さんぐらいだなぁ(笑)

矢嶋:BEAMS JAPANが、1つのゴールではなくて、新しいスタートをきったと思うし、これから、マルチシアターのようにどんどん展開していくということに対し、限りない可能性を感じます。私が見たのはオープンの2016年4月28日当時のビームスジャパンですが、それがこれから変わっていくことをこれから一緒に楽しみたいと思います。

設楽:矢嶋さんがおっしゃったように、シネマコンプレックスのように出し物が変わっていくという、まさにBEAMS JAPANはそういう「ステージ」を作ったつもりなんです。ああいうものをつくると、色々な情報も集まってくるでしょう。準備期間はバタバタしましたが、徐々に現場が出来あがってくると、ここのスペースでこういうものやったほうがいいとか、ここでやらせて欲しいといった話がどんどん出てきました。今後変わっていく毎に、今度は自分にやらせて欲しいとか、このスペースにあれが合いそうだとか、47都道府県のところも、この県には、こういうものもあるよ等と紹介があったり、どんどん活性化していくと思っています。

矢嶋:そのステージに立ちたいと思っているアクターはいっぱいいると思いますよ。例えば、今ではすっかりメジャーになりましたが、山形の佐藤繊維さんや、先日ギャラリー百草で安藤さんとコラボしていた、真木 千秋さんとか。
 また、ミナペルホネンやmatohuという卓越したジャパンブランドは、素材から開発していますよね。そういう日本の素材開発力というものをどこかで発表したいと思っているファクトリーメーカーも沢山あると思います。そういう人たちに対しBEAMS JAPANのステージの扉をなんらかの形であけていくことになれば、今までのポップアップショップや、瞬間的な若手デザイナーのピックアップということ以上に、大きな影響を与えることが出来るのではないかと思います。

設楽:ありがとうございます。先ほど矢嶋さんが今度伊勢丹さんでポップアップをされるとおっしゃっていましたが、チームジャパンに伊勢丹の大西社長にも加わっていただいたんです。百貨店でしか出来ないこともある、逆に、ウチみたいにスモールスケールで専門店にしか出来ないこともある、場合によっては両方で同時に何かやることがあっても良いじゃないか、ということで、大西社長にチームジャパンに入って頂くようお願いしたら、快諾していただけました。

矢嶋:それは、伊勢丹さんの開明性をすごく感じますね。2年前ですが、伊勢丹さんから新宿本店でドゥーブルメゾンをやりませんか、と言われてビックリしたんです。感動したのは、私のツテでは無く、現場からだったことです。同じ小売り業だけど、コラボしませんか、というもので、今回の依頼はY.&SONSでした。ある意味ライバル、ある意味仲間であるという、そういう成熟した大人の関係が出来るようになったのは素晴らしいことだと思いました。
 これから、変化していくBEAMS JAPANの姿を一緒に楽しんでいきたいと思います。本日は、ありがとうございました。

 

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