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「2018浴衣スタイル徹底研究!後編」

浴衣の季節が今年もやってきました!
今回はやまとの5ブランドDOUBLE MAISON/KIMONO by NADESHIKO/きものやまと/Y. & SONS/THE YARDの担当者にインタビューを行い、2018年のトレンドと一押しスタイリングをご紹介。製作秘話やコーディネートのポイントなど真似したくなる情報満載です。

 
2018浴衣スタイル徹底研究2
今週は先週にひきつづきTHE YARD/Y. & SONSの2ブランドの浴衣をご紹介します。


THE YARD

ブランドコンセプトについて教えてください。

池田:「白シャツのように着る、新しい日常をつくる着物」です。現代のライフスタイルやカルチャーに、どのようにしたら着物をもっと溶け込ませられるか考え、その魅力や伝統を発信しています。

「白シャツのように」というのは、気軽にとか、シンプルにといった意味でしょうか?

池田:それもありますが、白シャツは、男性も女性も着ますし、フォーマルにもカジュアルにも着られるものです。THE YARDの着物もそういう風に、いろんな方に、いろんな場所に着て出かけていただけたらと思って、「白シャツのように」としています。



なるほど!洋服のコーディネートの中に、着物という選択肢が、それこそ白シャツのように自然に存在するのが理想形なのですね。 では、今年のゆかたのテーマを教えてください。



池田:今年は、無地感のテイストと、まるで着物のような小紋調の伊勢型のゆかたを昨年から踏襲しつつ、さらに「素材」と「色」にこだわりました。日常の中に着物を着るということを考えると、やはり自然とシンプル且つシックな雰囲気になっていくのですが、そうなると、素材感や色が大変重要になってきます。なので、無地のゆかたも白生地を作ってから染めるのではなく、縦糸と横糸にそれぞれ違う色糸を使い織りで色を表現するなど、こだわりをもって作っています。

担当者:池田

THE YARD担当:池田さん

縦糸と横糸で新しい色を作るのは難しそうです。何度も試してみるのですか?

いいえ、布を織るためには織機に縦糸をすべて通さないとできません。非常に手間がかかるため、何枚か作ってみて選ぶ、というわけにはいかないので、思った色が出るかどうか、毎回ドキドキです。


では、今年のイチオシコーディネートを教えて下さい。


【遠州 手しぼ・甕覗き】

遠州 手しぼ・甕覗き


池田:「甕覗」(かめのぞき)とは、古くから日本にある色名のひとつです。甕の水面に写った空の色を人が覗き見たということが由来になっている、という一説があります。これは、縦糸にクリームがかった色、横糸にブルーの糸を使い、涼しげ且つ柔らかい色合いを出しました。綿麻素材なのもあって涼しく着られるので、夜の花火大会などだけでなく、昼間の喫茶店や縁側で着ていただけたら、綺麗な色が引き立つかなと思っています。


「甕覗き」も水面に写った空の色、と思うと昼間ですもんね。太陽によく映えそうな色です。帯はどんなものを合わせるのがオススメですか?


池田:濃いめの半巾帯もオススメですが、ゆかたと同系色の名古屋帯などでも綺麗に着ていただけます。また、ゆかたがシンプルなので、バッグや根付などアクセサリーをポイントにしたコーディネートが楽しめます。


THE YARDには、ヘアアクセサリーやピアス、リングなど、洋装にも使えそうな小物が沢山ありますよね。何か理由はあるのでしょうか?


THE YARD渋谷店

(THE YARDの店頭には、呉服店とは思えないほどアクセサリーが充実)


池田:2つ理由があり、ひとつめは、着物がシンプルな分、小物のおしゃれが引き立つので、THE YARDではトータルでおしゃれに着ていただきたいので、小物にも力を入れています。また、和洋どちらにも使える小物であることで、より日常に溶け込みやすく、着物と洋服の架け橋になればとも考えています。



【伊勢型 横段・グレー】

伊勢型 横段・グレー


池田:このゆかたは伊勢型を使って染めたのですが、仕立てるとレースのようなデザインになり、ワンピースのような雰囲気で着ていただけます。なのでゆかたはもちろん、夏着物風に着て、お買い物や美術館など、普段は洋服で行く場所に出かけてみていただきたい1枚です。


伊勢型 横段・グレー

(柄の拡大図。繊細な柄はまるでレースのよう)

 

こういった柄は、伊勢型のデザイン台帳のようなものがあって、そこから選ぶのですか?


池田:いいえ、三重の白子に型職人の方がいらっしゃるので、そこへお邪魔して、10畳くらいの部屋に何万枚も積まれている型を1枚1枚見て、決めていきます。型を決めたら、京都で染めてもらっています。



型を選ぶだけで、大変な作業なんですね…! このゆかたに合わせる帯は、どんなものがオススメですか?


この写真で合わせているのは、ゆかたと同じ伊勢型の名古屋帯です。技法や色を揃えると、全体の統一感が出るのでオススメです。ゆかたとして気軽に着るなら、兵児帯などもおすすめです。


名古屋帯「伊勢型・雲柄」¥49,000+税

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兵児帯「西陣・撫子」/¥39,000+税

 

池田:ブランドコンセプトの「白シャツのように」を考える中で、男性のゆかたは圧倒的に濃地が多い中で、綺麗な淡い色の無地ゆかたを、との思いで作りました。今年とても人気の1枚です。私が今日着ているのも、こちらです。


素敵です!素材は、麻のように見えますが、綿なのですか?


池田:はい。ドライツイストコットンという素材です。吸水と撥水どちらの性質も持っており、他の綿素材のゆかたに比べて涼しく、サラッと着ていただけます。



(ドライツイストコットンの拡大図。生地の表面に凹凸があるため、肌に貼りつきにくく涼しく着られます)

天然素材ならではの、独特の風合いがありますね。着方やお手入れのポイントはありますか?


池田:無地感の着物では、小物がとても引き立ちます。帯留や帯締めなどの小物を、普段の洋服に合わせるアクセサリーを選ぶ感覚で、着物にも合わせて小物を選んでみていただけたら、トータルコーディネートでより素敵な着姿になると思います。THE YARDでは小物をお願いする工房なども、普段ジュエリーやアクセサリーを作っているところが多いです。
また、この独特の素材感が天然素材の良さでもあり、またお手入れに少し気を使いたいところでもあります。汗をかいたのですぐ洗いたい!という場合はご家庭での押し洗いも大丈夫なのですが、綿が入っている素材が多いので、縮んでしまう可能性はどうしてもあります。心配な方は、お店でクリーニングも承っていますので、お持ちいただけたらと思っています。



(ご家庭でお手入れをする場合は、押し洗いの後、シワを伸ばして陰干しを。)

長く、幅広く、大事に着たい1枚ですね。
ありがとうございました。


 
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